【学校教育専攻】荒井洋樹 2021年11月24日
授業日数確保のため、祝日でも授業があることが多いが、昨日の勤労感謝の日は珍しくカレンダーどおりに休日だった。たまには少し足を伸ばそうと、文学散歩としゃれ込んでみた。
大阪は本町にある松尾芭蕉終焉の地を訪ねた。小さいながらも碑が立っており、だいたいの位置を知ることができる。とはいえ、ひっそりと立っており、わざわざ探すのでなければ見逃されるであろう。
このあたりは近世から大阪の中心地として栄えたところで、芭蕉は都会の真ん中で死んだことになる(むろん、現代では往時を偲ぶよすがはない)。その辞世句は、
旅に病んで夢は枯野をかけ廻る
であると伝わる。「旅に病んで」と聞くと、旅中のどこかという印象を受ける。たしかに芭蕉が大阪を訪れていたのは弟子の仲裁を目的とした旅であったのだが、存外それは都会なのであった。そんなことを少しも感じさせない雄大な句であるところが芭蕉たる所以なのであろう。
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