【学校教育専攻】四辻伸吾
~教育相談の理論と実際のあらまし~
大学3回生以上向けの講義です。この授業では,学校における教育相談とはどういうものなのか,あるいは教育相談を進める際に必要な基礎的知識を理解し,教育相談を具体的にどのように進めていけばいいのか,組織としてどのように連携していけばいいのかなどについて理解を深めていきます。
~この講義で学ぶこと~
教育相談は,幼児,児童及び生徒が自己理解を深めたり好ましい人間関係を築いたりしながら,集団の中で適応的に生活する力を育み,個性の伸長や人格の成長を支援する教育活動です。
◀授業で使用するスライド例➀
「教育相談」という言葉から,特定の場所で子どもたちの話を教員がじっくりカウンセラーのように聴くというイメージを持ってしまうかもしれません。しかし,教育相談はそのような特定の場だけでなく,教員は授業や休み時間,その他さまざまな場面でいかに子どもたちとよりよい人間関係を構築するとともに,子どもたちが成長していくにはどのようにすればよいかということを考えていくことなど含めたより広い概念として捉えます。
この講義では教育相談という概念そのものについてしっかりと学ぶとともに,教育相談の具体的な方法について理解を深めていきます。具体的には以下のような内容を学んでいきます。
・教育相談とはどのようなものなのか。
・教育相談のためのカウンセリングのスキルについて
・自己開示について
・傾聴的態度と非言語コミュニケーション
・いじめ・不登校等,教育現場における課題について
・教育相談のための連携について
これらはまさに学校の教員として教育活動を行っていく上で必ず考えていかなければならない視点です。グループワークなどを通して体験的に学んでいく機会もたくさんあります。
▶授業で使用するスライド例➁
~こんなことを教えられる先生になれます~
子どもたちがトラブルを起こしてしまったときや不適切な行動をしたときには教員が「叱る」ことで子どもたちにそれらの行動をふりかえらせることは教育現場ではよくあることだと思います。
しかし,その場だけの対応として闇雲に「叱る」という行動をしているだけであるのならば,それは「子どもたちの成長」にはつながっていないと思われます。
教育の最大の目的は「子どもたちの成長」にあります。授業や休み時間などのおける子どもたちとのコミュニケーション,子どもたち同士のコミュニケーションなど,すべての経験が「子どもたちの成長」へとつながっていくことがのぞましいとのではないでしょうか。
冒頭にも説明しましたように,「教育相談の理論と実際」では,子どもたちの成長のための教育相談の方法や,具体的な教育相談の方法についてじっくりと学んでいきます。
「子どもたちから好かれる教師になりたい」「授業がうまい教師になりたい」「子どもたちと楽しくコミュニケーションをとることができるスキルを身に付けたい」など教師には様々な思いがあるかと思います。しかし,実はこれらは厳しい目で考えると「教師側」の論理であると考えられます。子どもたちがよりよい成長をしていくためには,教師にできることは何なのかという常に「子どもたち側」の視点で考えていくことが重要ではないでしょうか。
この「教育相談の理論と実際」の授業でこのような「子どもたち側」の視点ということに特に焦点をあてていきますので,本講義を「子どもファースト」で考えることができる教師になるためのきっかけにしてほしいと思います。
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