【学校教育専攻】荒井洋樹
本を買わない学生が増えているというのを通り越して、本を読まない学生が増えている現実を実感する。本は決して安い値段ではないけれども、諸外国に比べれば日本の本の物価は安い。
別に新本を買うことだけがすばらしいわけでもないので、今日は古本で買った本の、おもしろい話を書いておこう。
大学に在籍していたころ、近くで古本市があり、ある本が格安で売れていた。書き込みがある本で安かったのだ。そこまでひどく書き込みが多いわけでもなかったので早速購入。しばらく使っていると、こんな書き込みを発見した。てやんでえ。よほど著者の説明のしかたが鼻についたのだろう。古本にはこういう出会いがあっておもしろい。
また、こんなのもあった。古本で購入したら、著者自筆の謹呈札が入っていたのである。サイン本と同じくらい価値あるものではないか。この本をいただいたどこかの誰かがうっぱらったんだなあ。せめてお札ははずそうよ、と思うけれども、ありがたくうちの書架に収まっている。
こういう出会いは新本では起こらないから、古本市はついのぞきたくなる。ここ最近は大々的に開催されなくなっているけれども、復活したらまたふらりと訪れてみたい場所である。
最後に、これはちょっと自慢だが、サインを入れてもらった本をあげておこう。出版されたときにちょうど授業を受けていたので、サインとコメントを入れていただいた。これもまた本を買わないとできないことの一つである。
本は買おう。買った本は図書館の本よりもじっくり読むことになるし、読み終わっても家の書架に残る。電子書籍もいいが、こういう出会いは起こらない。紙の本のおもしろさを知ってもらえればと思う。
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