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【学校教育専攻】授業紹介「現代教育特論3(学校教育)」

【学校教育専攻】中島 悠介


~「現代教育特論3(学校教育)」のあらまし~

 学校教育専攻3回生以上を対象とした授業です。学校教育専攻で提供される授業の多くは、教育現場の状況や子どもへの対応、教育方法や授業実践に関するものですが、この授業は「海外の教育事情」を中心に取り上げることにより、みなさんにとって馴染みの深い「日本の教育」を相対的に捉え、「教育とは何か」を考えて、自分なりに表現できるようになることを目的としています。


~この講義で学ぶこと~

 みなさんが経験してきた日本の学校で行われている教育は、他国においては決して「あたりまえ」とは言えないものも多くあります。例えば、教室や共用施設を清掃する「そうじ」、クラス内で委員会や遠足の行き先などを決める「学級活動」、子どもによる準備や配膳を含めた「給食」といったものは、他の国でも必ずしも行われているものではありません。そして、こうした教育を「日本型教育」として他国で導入しようとする動きも出ています。それでは、「どのような背景でそうした活動を取り入れようとしているのか?」「どのような教育目標を達成しようとしているのか?」などを考えることを通し、日本での「あたりまえ」を問い直す機会となります。

 他にも、近年の日本の学校では「教師の多忙化」が話題となっていますが、日本の教師の働き方は他国の教師と同じものでしょうか?教員環境を国際比較の観点から調査したTALIS(2018年度)によると、中学校の教師の仕事時間について、48参加国平均が38.3時間となっているのに対し、日本は56.0時間となっています。その一方、「授業時間」は18.0時間と参加国平均(20.3時間)を下回っていますが、例えば「一般的な事務業務」(平均2.7時間に対し日本は5.6時間)と「課外活動の指導」(平均1.9時間に対し日本は7.5時間)は参加国平均を大きく上回っています。もちろん、労働時間に含まれないような業務も多くある一方、事務業務や課外活動の多さは日本の教師の働き方の特徴として挙げることができます。では、「他国はどのような対応をしているのか」を知ることで、日本の教師の働き方改善に活かすことができるかもしれません。

 以上のようなテーマを通し、「教育事象に対して広い視野を持ち、深く考えられるようになる」ことを目指した授業とも言えます。


~講義を受けた後、こんな風になれます~

 本授業では、教員による講義のみではなく、海外の映画を観たり、学生自身がプレゼンテーションをしたりする機会を設けています。映画の中にはその国の文化や慣習が鮮やかに描き出されているものも多くあり、教員による解説や学生どうしのディスカッションを通して、それらをより深く理解し、自身の意見を表現できるようになることを目指しています。また学生によるプレゼンテーションでは、自身の興味関心に基づいて調査し、まとめた情報を発表し、聴衆からの質問に対して答えるという、一連のプロセスを経験します。こうした経験は、教職を目指す学生にはもちろん重要ですが、民間就職や公務員を目指す学生にとっても必須となりますので、より幅広いニーズに対応する授業としても展開しています。



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