【学校教育専攻】中島 悠介 2022年4月25日(月)
学校教育専攻に独自に設置されている授業「学校教育特論」は「言語」「文化」「科学・技術」「協働」の4つのゾーンに分かれ、領域横断的な学びを促進することを目的としています。その中で、「学校教育特論(文化)」は4月23日(土)3~5限に初回授業が実施されました。
この授業では特定の科目にとらわれず、国内外の社会・歴史・教育などの事象について文化的視点から捉えなおし、フィールドワークを通して実践的に学びを深めることを目指しています。初回授業では、日本古典文学・地域社会史・数学の文化史・英語圏文学・国際理解教育の観点から、各テーマの概要と実施方針が説明されました(以下の紹介では、多分に中島の「見方」が入っていることをご了承ください)。
最初に中島より、文化人類学の分野を中心に「文化」のあり方について概要を説明したのち、国際理解教育の目的や展開について話されました。フィールドワークではSDGs(持続可能な開発目標)をテーマとして、京都においてフィールド・トリップの実施を予定しています。
次に荒井先生より、日本古典文学の観点から講義が行われました。住吉大社の殿舎配置の意味について、フィールドワークと文献資料の精査を通して探るということで、しばしば寺社・仏閣を訪問する自分もたいへん興味深く感じました。また「馬」が古代から平安期にかけて、和歌の中でどのように詠まれているのかを分析することで、「馬」の捉え方が変化した様子が話されました。
そして高野先生より、地域社会史の観点から講義が行われました。岸和田で実際に学生らが実施したフィールドワークを事例として、一つひとつの物事に興味・関心を持ち、その地域の文化や歴史をより深く理解する意義と楽しさが話されました。また、こうした手法は教師になったとき、「社会科」や「総合的な学習の時間」でも活かすことができそうです。
今度は竹歳先生より、数学の文化史の観点から講義が行われました。数学と文化の結びつきはイメージするのが難しいかもしれませんが、絵画をはじめとした様々な文化的事象に「数学」が埋め込まれている様子が話されました。フィールドワークは四天王寺を予定しているとのことです。また、これらのテーマに関連して、先生どうしのディスカッションの様子も見られました。
最後に三木先生より、英語圏文学に関する講義が行われました。英語は米国・英国のみではなく、オーストラリアやアイルランドなどでも公用語として話されています。これらの地域の文学作品を通して文化的事象をより深く理解するため、「時間的なフィールドワーク」として文献講読を中心に進められます。授業では「The Great Gatsby」を事例として、1920年代の米国社会や文化を浮き彫りにする面白さが話されました。
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