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【学校教育専攻】👀 学校教育専攻の授業へようこそ!(日本語史)

【学校教育専攻】山口響史


学校教育専攻の授業の1つ「日本語史」を紹介します!


〜日本語史のあらまし~

 中学校・高等学校の国語教員の免許を取得するために必要な科目です。中学校、高等学校の教員には、生徒に教える内容よりも深い知識・考えが求められます。本講義では、国語の中でも言葉の歴史にかかわる深い知識・考えを養成します。


~この講義で学ぶこと~

 高等学校までの授業では、古典の言葉を学習しますが、現代の言葉とどのように繋がっているのかは学びません。この授業では、平安時代(または、それ以前の時代)から現代に至るまでの日本語について、音の歴史、文法の歴史を中心に学びます。


~講義を受けた後、こんな風になれます~

 本講義の目標は、五十音の歴史、動詞の活用の歴史について説明できるようになることです。目標を達成すれば、古典の教授に必要とされる日本語の知見が得られます。さらには、日本語の歴史を通して論理的に考える力を養うこともできるでしょう。それでは、講義の中身を少し覗いてみます。

 五十音図をみてみると、「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ」の順に並んでいます。それでは、なぜこの順に並んでいるのでしょうか。この五十音図の並びには、日本語の音の歴史が隠れています。今回は、「あ」から「ま」までの並び順に注目してみましょう。

授業内のスライドの一部です!

 「あかさたなま」と、ハ行を除いて発音すると、あることに気が付きます。発音する際に、舌や唇が口の中で接する場所が次第に口の奥から手前に近づいているかと思います(実際に発音してみるとわかります)。では、なぜハ行だけが仲間はずれとなるのでしょうか。

 かつて、ハ行の音は「ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉ」のように唇を使った音であったとされています。古代以前は、パ行であったともいわれています。つまり、五十音は「あ、か、さ、た、な、ふぁ、ま」となっていたことになります。これならば、ハ行も例外とはなりません。ハ行の音の変化が五十音図の「仲間はずれ」を生んだのです。

 このように、日本語史の授業では、現代に残された手がかりをきっかけにして、日本語の歴史をみていきます。さらには、ハ行の音がいつの時代にどのような音であったのか、根拠となる実際の資料をもとに知見を深めていきます。

旅先で見つけた奈良時代資料『万葉集』の石碑です!

 昨今、学校教育では、「主体的・対話的で深い学び」が求められています。教員となる学生自身もそのような学びを経験する必要があると考えます。本授業も、そのような学びの機会になればと思っています。五十音図や活用といった、我々が当たり前に認識しているものの背景を知ることで、未知なる日本語の謎に思いを馳せ、考えを伝えあってほしいと思います。

 最後に、(日本語学では)有名な室町時代のなぞなぞを紹介して筆を置きたいと思います。


なぞなぞ:母には二たびあひたれども父には一度もあはず。


答えは何でしょうか?考えてみてください。

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